【医師監修】葉酸サプリの過剰摂取、胎児に影響はある?

葉酸の過剰摂取について

微笑むめぐ先生

妊娠初期(0~15週)に積極的な摂取を勧められている「葉酸」。厚生労働省からも推奨されていますが、だからと言って過剰に摂取することも注意されています。

なぜ葉酸の過剰摂取について、注意喚起されているのでしょうか?過剰摂取には、どんなリスクがあるの?母体だけでなく、赤ちゃんに及ぼす影響とは?今回は葉酸の過剰摂取についてお話しします。

1.葉酸の過剰摂取について
2.過剰摂取は胎児に影響があるの?
3.食事+サプリだと葉酸の過剰摂取になる?
4.過剰摂取を防ぐために、葉酸サプリの量を確認
5.まとめ

葉酸の過剰摂取について

【妊娠中の葉酸】厚生労働省が推奨する1日の摂取量

国が推奨している妊婦の葉酸量

妊娠中の女性が摂取すべき葉酸の量は、1日当たり480μg(マイクログラム)とするよう厚生労働省は推奨しています。一般女性の推奨摂取量は240μgなので、妊婦は一般女性と比べて2倍の葉酸が必要です。葉酸は緑黄色野菜に多く含まれているため、普段の食事からでも体に摂り入れることは可能です。

では20~39才の女性は、どのくらいの葉酸を食事からまかなえているでしょうか?厚生労働省から発行されている国民健康・栄養調査結果の概要では、20代女性は1日234μg、30代女性で243μgの葉酸を食事から補えています。

妊婦に必要な葉酸量は480μg、食事の内容を変えないのであれば約半分の葉酸量しか摂れていないことになります。しかも妊娠初期はつわりもあり、食べたくても食べられない日が続きます。葉酸を摂取するために、妊娠中だけ食事の量を2倍にすることは難しいです。

ポイントを伝えるめぐ先生

そこで、厚生労働省は妊婦に対しサプリメントで葉酸を摂取することを勧めています。確かにサプリメントで摂取できれば、食事内容に束縛されるストレスからは解放されますね。

過剰摂取と判断される葉酸の量

1日1000マイクログラムは葉酸の過剰摂取になる

葉酸がなぜ妊娠時にたくさん必要なのかというと、胎児の先天性異常のリスクを下げる効果が期待できるからです。葉酸は水溶性ビタミンであり、尿や汗と一緒に体外に排出されやすい特徴があります。妊娠中の女性は葉酸がたくさん必要ですが、過剰摂取に敏感になりすぎる必要はありません。

葉酸の過剰摂取と判断される量は、1日で1000μg以上とされています。葉酸を摂りすぎてしまう原因はいくつかありますが、まず葉酸が含まれるサプリを数種類、同時に飲むことが挙げられます。

妊娠前から健康や美容のために飲んでいたサプリにも葉酸が含まれていることがあります。そのサプリも服用しつつ、妊娠してから新たに葉酸サプリも飲むようになると結果として葉酸を過剰摂取することになります。

また、妊娠すると葉酸サプリ以外にも鉄やカルシウムといったサプリも飲むよう勧める情報を目にする機会が増えます。お腹の赤ちゃんのことを考えると、良いとされることは何でもしてあげたいです。ただ、あれもこれもとたくさんのサプリを飲んでしまうと、葉酸の過剰摂取になる恐れもありますので、サプリに含まれる成分や成分量をよく確認しましょう。

葉酸の働きと過剰摂取で現れる症状とリスク

葉酸の過剰摂取で現れる症状

葉酸は過剰摂取すると、身体に不調が現れ始めます。食欲不振や吐き気、むくみや不眠症や倦怠感などです。しかし、こういった症状は葉酸の過剰摂取に関係なく妊娠中によく起こる症状です。葉酸を過剰に取り過ぎて起きる「葉酸過敏症※」を発症した場合は、発熱や蕁麻疹といった症状が現れます。

葉酸過敏症とは
その名の通り、過剰に取り込んだ葉酸に体が過敏に反応してしまうことです。発熱、蕁麻疹以外にも痒みや呼吸障害を起こす可能性があります。

葉酸の過剰摂取は胎児に影響があるの?

葉酸の過剰摂取、胎児への影響

葉酸は水溶性ビタミンなので、多く摂り入れても汗や尿で体外に流れ出てしまいます。たくさん摂っても大きな問題になりにくい傾向はありますが、過剰摂取は胎児に良くない影響を及ぼす可能性があることも頭の片隅に入れておいてください。

妊娠後期(28週~40週)に葉酸を過剰摂取した母体の中で育った赤ちゃんは、誕生後に喘息を発症する可能性が高くなることがオーストラリアで報告されました。しかし、妊娠初期に必要以上の葉酸摂取を改善すれば、問題がないことも確認されています。

妊娠が判明した時点で毎日摂っているサプリメントの量が適正なのかを確認し、早めにサプリの見直しをすることが重要です。葉酸はその特徴からそこまで過敏にならなくてもいい栄養素ですが、サプリメントで葉酸の摂取を考える際は、含まれる量を確認してから摂り入れると安心できます

食事+サプリだと葉酸の過剰摂取になる?

葉酸サプリメントの摂取は、食事と併用することを厚生労働省も勧めています。妊娠中にかかわらず、葉酸は不足しがちです。妊娠前や妊娠期間中は胎児と母体にとって、葉酸は積極的に摂取しておきたい栄養素。葉酸は、胎児の先天性異常リスクを低くさせることがわかっています。

ここで気になるのが、葉酸サプリと葉酸を豊富に含む食事を同時に摂り入れると、葉酸の過剰摂取にならないかということです。

葉酸の特徴から考えると過剰摂取は考えにくい

サプリメントのメリットは、摂取できた葉酸の量を日々把握することができます。でも食事から摂れる葉酸の量は、正直わかりません。メニューも毎日変わります。しかも、葉酸は水溶性(水に溶けやすい)という特徴のほかに、熱に弱いため調理方法によっては体への吸収率がぐっと下がってしまいます。

緑黄色野菜に多く含まれる葉酸ですが、炒める、茹でる、蒸すなど熱が加わると体への吸収率は50%以下になります。そのため、葉酸サプリと食事を併せて摂ることで、過剰摂取になることは考えにくいといえます。

それでも葉酸を過剰に摂取してしまうことも

注意する点は、やはりサプリメントの服用量です。サプリメントだけで一日の規定量を超える葉酸を摂取している場合は過剰摂取になってしまいます。葉酸サプリを飲めば飲むほど、胎児への先天性異常リスクがどんどん下がるというわけではありません。

葉酸の過剰摂取は、胎児や母体にも悪影響を及ぼす可能性があります。サプリメントと食事で葉酸を豊富に摂取する場合は、一日の葉酸摂取の規定量をオーバーしないよう気を付けましょう

過剰摂取を防ぐために、葉酸サプリの量を確認

サプリを巣種類服用している人は要確認

葉酸サプリメントを飲む場合は、含まれる葉酸の量を確認しましょう。厚生労働省が提示している妊娠初期に摂取しておきたい一日の葉酸量は「食事で240μg」、「サプリで400μg」としています。あくまでも推奨量になりますが、妊娠中は国からも積極的に葉酸を摂るよう促されています。葉酸は規定量を守れば安心して効率的に摂ることができます。

例えば、ディアナチュラやネイチャーメイド、ベルタ、美的ヌーボは市販・通販で販売している葉酸サプリの大手メーカーになります。こういった大手メーカーから販売されている葉酸サプリは、1日に400μgの葉酸を摂取できるようになっています。メーカーによって飲む粒数は1~4粒と変わりますが、1日の服用量を守れば通常の食事と一緒に摂っても過剰摂取の恐れはありません。

そして、妊娠前から飲んでいるサプリメントも一緒に飲む場合は、注意してください。マルチビタミンや美容サプリには葉酸が含まれています。妊娠中には葉酸のほかにもさまざまな栄養をバランスよく補給することが大切です。サプリメントを服用する際は、葉酸がどれくらい含まれているかの確認や葉酸のサプリを一つに絞ることも過剰摂取を防ぐ方法の一つにになります。

まとめ

1日1000μg(マイクログラム)以上の葉酸を摂ると、過剰摂取と判断される
・葉酸を摂り過ぎると「葉酸過敏症」を発症することがある
葉酸の過剰摂取が原因で子どもに喘息を発症する恐れがある
サプリに含まれる葉酸の量を確認すれば、食事+サプリで過剰摂取になることは考えにくい
・葉酸以外のサプリメントを服用している際は、すべてのサプリの葉酸量を確かめる

葉酸は、妊娠中に大きな役割を持つ栄養素です。しかし、食事だけでは摂取が難しいのが現実。食事だけでなく葉酸サプリを上手に活用していきたいですね。

葉酸を含むサプリメントを複数摂取する、規定量以上に服用することを避ければ、葉酸の過剰摂取はそこまで敏感になる必要もありません。規定量を守り、お腹の赤ちゃんだけでなくあなたの健康のためにも葉酸を摂取していきましょう。

■この記事の監修医師
医療法人よつば会 クローバークリニック
副院長 新開健司 医師

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