吐き気だけじゃない…つわりの症状と対処法は?

不調で肘をつく女性

つわりというと「突然、気分が悪くなって吐き気がする」というイメージです。妊娠が判明したばかりの頃に始まることが多いつわりですが、つわりの症状や程度、始まるタイミングは人によって大きく違い、一人目と二人目の妊娠でも違いがあります。

心配そうなめぐ先生

つわり=吐き気だと思い込んでいたのに自分はなんだか違ってる…、この症状はなんだろう?つわりじゃなくて病気?!または、つわりをほとんど感じず、お腹の小さな赤ちゃんを心配してしまうなんてことも。

妊娠初期はただでさえ、様々な症状に見舞われて不安になりがちです。初めての妊娠ならば不安はさらに大きく膨らんでしまいます。妊娠中に襲われる辛いつわりの種類や症状、つわりの原因や起こりやすい時期も併せて説明します。

1.体に現れるつわりの症状
2.心に現れるつわりの症状
3.つわりによる危険な症状
4.つわりが起こりやすい時期と原因
5.すぐにできるつわり対処法
6.まとめ

体に現れるつわりの症状

胸元に手を当てる女性

吐き気・嘔吐

食べると吐き気がする吐きづわり、食べていないと吐き気がする食べづわり。どちらも吐き気や嘔吐に悩まされ、まったく食事が摂れなくなったり水分さえも受け付けなくなることもあります。

また、食べづわりの場合は吐き気や嘔吐を軽減するため、無理に食べ続けて消化不良を起こしたり、体重が急増してしまうこともあります。

吐き気だけでなく嘔吐が続くと、胃や食道の粘膜を傷つけて嘔吐物に血が混じったり、胃酸が混じることもあるので要注意です。

胸やけ

頑張って食べたのに、食後に胃がムカムカする胸やけ。胸やけで食事を摂ることが苦痛になると、空腹になる時間が増えます。胃が空っぽになると、吐き気が強まったり更なる吐き気を招いてしまいます

胃痛

シクシク痛むつらい胃痛。嘔吐や胸やけが続くと胃の機能が低下して、横になっていても痛みのせいで夜目覚めてしまうことも。胃痛になると食欲が低下して、妊娠中に必要な栄養が十分に摂取できなくなってしまいます

唾液

唾液の量が増えてしまうよだれづわり。唾液が泡状になったり量が増えすぎたり、唾液の匂いや味を不快に感じてしまいます。唾液を何度も飲み込んだり口から吐き出すたびに、吐き気を感じたり嘔吐してしまうこともあります。

また、唾液が不快で歯磨きがまともにできなくなることもあります。きれいに歯磨きできないと虫歯になったり、歯肉が炎症を起こす歯周病のリスクが高まります。

妊娠中の歯周病は、早産や赤ちゃんの成長にも影響を及ぼしてしまいます

倦怠感

体がだるくて重く起き上がれない、自分の体でありながら置きどころがない全身のだるさ。家事や仕事が全くはかどらず、昼夜問わず襲われる倦怠感は吐き気や不眠、または眠気のせいで強く感じることもあります

腰痛

生理痛に似ている軽めの腰痛や、寝込むほど腰全体が痛む腰痛などあります。妊娠すると襲われる腰痛は、「リラキシン」というホルモンが関係しています。

リラキシンは関節をつなぐ靭帯(じんたい)を緩める作用があります。これは、分娩のときに赤ちゃんが産道を通りやすくなるよう、骨盤を徐々に開く必要があるためです。

妊娠にまだ気付いていない超初期の腰痛は、生理痛の腰痛と勘違いしてしまうことも。リラキシンの分泌によって起こる腰痛は、妊娠初期~後期まで続く場合もあります

腰痛を見過ごしたり無理な姿勢をして悪化させることのないよう注意しましょう。

めまい・立ちくらみ

立ち上がるとめまいがしたり、フラフラして真っすぐ歩けない…。階段で踏み外しそうになったり、頭がボーッとしてテレビや読書にも集中できません。症状は妊娠の判明と同時に感じることもあれば、突然ふらつくこともあります

吐きづわりや食べづわりの吐き気や嘔吐が続くと十分な栄養が摂れず、めまいやふらつきを感じます。お腹の赤ちゃんのために必要な栄養が不足すると、妊娠中は特に貧血になりやすくなります。立ちくらみやめまいは、貧血の代表的な症状の1つです。

頭痛

つわりが始まる妊娠初期の頭痛は、悪化すると日常生活にも影響が出ます。横になっても辛く、妊娠前とは違って安易に鎮痛薬を飲むこともできません。

つわりの時期の頭痛は、「黄体ホルモン」が関係しています。黄体ホルモンは卵子が受精すると分泌されるホルモンで、妊娠している間は黄体ホルモンが分泌され続けます。

黄体ホルモンは体温を上げたり、血管を広げる作用があります。つわりによる不調やストレスが続くと、頭部の血管が腫れや炎症を起こすことも。妊娠初期に襲われる頭痛は、受精すると分泌される黄体ホルモンによって、頭部の血管が拡張し炎症が生じることが原因です。

微熱

風邪のひき始めのようで頭がボンヤリ…微熱だけでなく倦怠感や寒気を感じることもあります。基礎体温を計ってみると、平熱より0.3~0.6℃ほど体温が高い「高温期」。

妊娠すると分泌される「黄体ホルモン」は、体温を上昇させる作用があります。つわりの症状が出始める妊娠初期の基礎体温が高温期になるのは、黄体ホルモンの分泌によるもので、高温期は3週間以上続きます。

そのため、基礎体温が高くなる妊娠初期は、風邪をひいた時のような微熱や寒気などの症状が出ます。

下腹部痛・張り

お腹を抱えて寝込むほどの痛みではないものの、下腹部がキューっと引っ張られるような、突っ張るようなチクチクする違和感を下腹部に感じます。また、生理痛や排卵時の痛みに似ていると感じる場合もあります。

つわりが始まる時期になると、子宮の大きさが徐々に変化しはじめます。妊娠前は鶏卵大の子宮が、妊娠から280日後には約20倍の容量に成長します。鶏卵の20倍の容量といえば、スイカのサイズ。

子宮の急成長は、つわりを感じはじめる妊娠初期からすでに始まっています。つわりの時期に感じる下腹部の痛みや張りは、妊娠によって子宮が急激に成長することが原因です。

乳房の張り・痛み

起きている時はもちろん、横になっている時も乳房が腫れているような違和感や痛み。下着の擦れさえも苦痛で、うつ伏せになることもできません。張りや痛みは皮膚の表面だけではなく、乳房の内側から感じる場合もあります。

乳房の張りや痛みの原因は、妊娠すると多く分泌される「黄体ホルモン」の影響です。黄体ホルモンは、体温を上げたり血管を拡張するほか、乳腺にも作用します。

つわりが始まる時期に急増する黄体ホルモンによって、母乳を作る準備がスタートします。母乳を作るために必要なのは、乳腺の組織や乳管の発達。

赤ちゃんが母乳を飲むためには、母乳を作り出す乳腺の組織と作り出された母乳が通る乳管の発達が重要です。

つわりの時期に感じる乳房の張りや痛みは、黄体ホルモンの作用による乳腺と乳管の急成長が原因です。

便秘

便通が悪くなりお腹が張ったり、逆に下痢をしやすくなったりして、ますます食事や水分を摂れなくなる…。吐き気を感じながらも無理して少し食べたのに、便秘や下痢のせいでトイレを往復。

妊娠中は便秘薬を飲むのも気が引けるし、お腹の不調で寒気やだるさを感じることもあります。

つわり中の便秘は、妊娠中に分泌される「黄体ホルモン」が原因です。黄体ホルモンには、子宮の収縮を抑える作用もあります。筋肉でできている子宮の収縮を抑えることで、流産を防ぐことができるからです。

ところが、筋肉の収縮を抑える黄体ホルモンの作用は、子宮だけでなく腸の運動も鈍くしてしまいます。そのため、妊娠中はどうしても便秘になりやすくなるのです。

黄体ホルモン以外にも、つわりで食事や水分が十分に摂れていないことや、運動不足も便秘の原因になります。妊娠後期になると大きくなったお腹で腸が圧迫されるため、便秘になってしまう場合もあります。

下痢

便秘とおなじく辛いつわり中の下痢。食欲もなくなり、体に力が入りません。食べると腸が刺激されてトイレに駆け込むこともあり、睡眠不足になったり外出先で困ってしまうことも。

妊娠中の下痢にはさまざまな要因があります。妊娠中の下痢について代表的な要因と理由を挙げます。

下痢の要因
下痢になる理由
食べづわり食べすぎで腸に過剰な負担がかかる
食べ物冷たい食べ物・飲み物の摂りすぎで腸が冷える
血流の悪化冷えによって血流が悪くなり、腸の機能が低下
ストレス自律神経のバランスを乱し、腸の機能が低下
抗生剤・漢方薬の副作用

発熱や嘔吐を伴う激しい腹痛、下痢が1週間以上も続く場合は、食中毒などウィルスが原因の場合もあります。下痢の症状が悪化したり続く場合は、早めに病院を受診しましょう。

食欲低下

何も食べたくない日が続き、日中もぐったりして横になるしかない。食べずにいると胃が空っぽになって、さらなる吐き気や嘔吐を招くことも。

何も食べない日が長く続くと、腸の粘膜が縮んでしまい、腸内環境のバランスが崩れます。大腸菌などのウィルスが腸内で増えてしまうと、発熱や下痢などを引き起こしてしまいます。

食欲増進・偏食

お腹が空いて仕方ない、食べても食べても満足感を得られない。もしくは、食べたい物を思いつくと食べずにいらなくなって、同じ物ばかりを食べ続けてしまう。

食べすぎは消化器に大きな負担をかけてしまい、下痢や便秘をはじめ嘔吐や胃痛などを引き起こします

また偏った食事を続けると、脂肪・塩分・カロリー摂取量が多くなりすぎて、肥満や病気になってしまいます

妊娠中のベストな体重増加は+8kgまで。つわりが始まる時期から食べ続ける習慣がつくと、体重はアッという間に上限オーバーになってしまいます。

妊娠中の急激な体重増加には、さまざまな危険が伴います。代表的なリスクや病名を挙げます。

リスクの内容
急激な体重増加による危険
妊娠中毒症【母体】
高血圧、浮腫み、肝機能障害、早産
【胎児】
胎盤の機能が低下、低酸素、発育不良
関節の痛み腰やひざの関節に負担がかかる
難産産道に脂肪がつく、胎児が成長しすぎる

難産や妊娠中毒症は、あなただけでなくお腹の赤ちゃんの成長や、命に関わることもあります。

食の好みが変わる

妊娠前は苦手だった食べ物が食べたくなったり、大好物だったはずの食べ物を見ることすらダメになるほど苦手になる。体に良くないとわかっていても、ファストフードやお菓子ばかり食べたくなることも。

または、食べたい食べ物が日替わりのように次々変わって、激しく偏食してしまう場合もあります。

つわりが落ち着けば、栄養のある食事を摂取できるので、今は気にせず食べられるものを食べても大丈夫です。ただし、食べづわりや吐きづわりの症状がある場合は、悪化しないよう食べる量は加減しましょう。

眠気・不眠

寝ても寝ても1日中眠気がとれない。昼寝をしてもスッキリせず、食事を摂ることさえ苦痛に感じるほど眠くてしかたがない。単に眠いだけではなく、体が重くてやる気もでない…集中できず、ひたすら眠い症状は眠りづわりと呼ばれています。

または、眠ろうと頑張っても眠れない日が続き、不眠になってしまうことも。昼寝をするなど日中の睡眠時間が不規則で長くなりすぎたり、つわりで体調不良が重なる不安やフトレスが不眠になる主な原因です。

喉の不快感

食後や空腹時に感じる喉の不快感は、何かが詰まっているように感じます。食事中はしっかり噛んでゆっくり飲み込むようにしているのに、食べ物が喉に引っかかったような違和感で、痛みや息苦しく感じることも。

喉の不快感のせいで食事することが億劫になったり、気になって睡眠不足になる場合もあります。

喉の不快感が続くときは、つわりではなく病気の可能性があります。胸やけや胸の痛みなどの症状もある「逆流性食道炎」や、風邪のような痛みや違和感があるときは「クラミジア」も疑われます。喉の違和感が回復しない場合は早めに専門の医療機関を受診しましょう。

耳の不快感

痛みはないものの突然、耳が詰まったようで聞こえにくい。もしくは、周囲の音ではなく自分の声だけが大きく響いたように聞こえてしまう。立ちくらみのようにフラフラするので、耳鼻科を受診するも鼓膜の異常は無し…。

妊娠中に襲われる耳の不快感は、「耳管開放症」という病気の可能性があります。耳鼻科の簡単な検査でわかる耳管開放症の主な原因は、睡眠不足や疲れ、つわりで不調になりがちな妊娠中に多いとされています。

臭いに過敏

妊娠前まで好きだったシャンプーや柔軟剤、花の香りで急に気分が悪くなる。美味しそうだと思っていたスーパーの総菜やパン屋の匂いで吐き気を催す。

今までは何も感じなかった夫の臭いが急に耐え難くなり、吸い込んだ瞬間に気持ちが悪くなってトイレに駆け込むなんてことも。

炊飯器でご飯が炊ける匂いや、冷蔵庫内の匂いなど何でもない日常の匂いに対して過敏になってしまう症状は、匂いづわりと呼ばれています。

心に現れるつわりの症状

半べそになっている女性

イライラ

いつもなら気にもならない家族の言動にカチンとしたり、職場や外出先での小さなアクシデントが腹立たしく感じて仕方ない。

特に、辛いつわりの症状について夫にアドバイスなどされたり、気休め程度の慰めや励ましの言葉をかけられると、腹が立って仕方がない。または、何に怒っているのか自分でもよくわからないけど、1日中イライラして仕方がなく周囲に八つ当たりしてしまう事もあります。

イライラを軽減したり解消するには、気分転換が効果的です。体調が落ち着いている日は散歩や買い物に行ったり、カラオケで思いきり歌うのも良い気分転換になります。

憂うつ

テレビをみても本を読んでも、ちょっとしたことで感動したと思ったら、急に悲しくなって涙が止まらなくなる。つわりによる体の不調も重なると、自分を責めて自信がなくなり不安になる。妊娠してから家事や仕事がいつも通りできないことで、こんな自分が本当に子育てできるのかと不安になる。

家族の言動にイライラして八つ当たりした後、自己嫌悪に陥ってメソメソ…。職場では我慢できるのに、時間に余裕のある休日になると情緒不安定が悪化してしまう場合もあります。

妊娠中のイライラや憂うつなど心に現れる症状は、「セロトニン」が原因です。セロトニンは脳内の脳幹(のうかん)という部分で作られる脳内物質です。妊娠をはじめ体の不調などが続くと、セロトニンが不足することがあります。セロトニン不足の原因と代表的な症状について挙げます。

セロトニン不足の原因妊娠、出産、子育て、病気、事故など
セロトニン不足の主な症状イライラ、鬱うつ、無気力、不安感など

セロトニンが不足すると、心のバランスが崩れやすくなります。そのため、セロトニンは別名「しあわせホルモン」とも呼ばれていて、気持ちを安定させるためには欠かせない脳内物質です。

セロトニン不足にならないためには、規則正しい生活をすることが重要。栄養バランスのとれた食事や早寝早起き、適度な運動や気分転換はセロトニンの分泌を促してくれます。

つわりによる危険な症状

不調で机に伏せる女性

つわりの症状を軽くみて放置した結果、危険な状態に陥ってしまう場合があります。つわりによる危険な症状と病名について挙げます。

脱水症状

体に現れるつわり症状で特に注意する必要があるのは、「脱水症状」です。胃や腸など消化器系につわりの症状がある場合は、要注意。危険な脱水症状の主な症状について挙げます。

  • 水分が摂れない
  • 食べ物を受け付けない
  • 1日に何度も嘔吐する
  • 尿の量が減った、ほとんど出ない
  • 頭痛やめまいでフラフラする
  • 体重が急に減った
  • 肌の乾燥
  • 便秘

脱水状態の症状として、急激な体重減少があります。ほかにも、尿の異常や頭痛など、体重の減少以外の症状が強く出る場合もあります。妊娠前の体重より3~5kg減ると脱水症状が進行している可能性が高いため、一度病院を受診しましょう。

妊娠悪阻(にんしんおそ)

体や心に現れる症状が特にひどい場合を、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼びます。つわりの症状は妊娠12週以降になると、自然になくなったり軽くなるのが普通です。妊娠12週を過ぎても症状が続いている、つわりが悪化している場合は、妊娠悪阻の可能性があります。つわりが悪化した妊娠悪阻の代表的な症状について挙げます。

  • 脱水症状
  • 飲食ができない
  • 激しい吐き気や嘔吐
  • 尿量の減少
  • 体重の減少
  • 意識障害
  • 発熱

妊娠悪阻になると、尿検査でケトン体が陽性になることがあります。尿中にケトン体が出るということは、体内のエネルギーが不足しているサイン。つまり、体が飢餓状態に陥っている状態です。さらに、ビタミンB1が大幅に欠乏すると、「ウェルニッケ脳症」になる場合があります。

ウェルニッケ脳症は命に関わることもある疾患です。つわりが悪化したり長引いているときは、我慢せず早めに病院を受診しましょう。

つわりが起こりやすい時期と原因

つわりは全ての人に現れる症状ではありません。つわりが全くないまま出産する人もいますが、妊娠したと同時に症状を感じる人もいます。つわりは妊娠4週目くらいから始まって、症状を感じなくなってくるのは妊娠16週あたりです。

つわりの症状がピークを迎える時期も様々です。出産間近までの長期にわたり症状に苦しむ人もいれば、ピークを過ぎたはずのつわりが妊娠後期になって、ぶり返すパターンも少なくありません。

多くの症状をきたすつわりの原因は、ホルモン分泌の変化やストレスなど諸説あります。ですが、はっきりしたつわりのメカニズムは、現在の医学では未だ解明されていません。その為、つわりの治療はつわりそのものを治すのではなく、吐き気や脱水、下痢や便秘など出ている症状を軽くする対症療法がメインとなります。

すぐにできるつわり対処法

はっきりした原因がわかっていないつわりですが、つわりの症状を少しでも和らげるために出来ることはあります。自宅でも簡単にできるつわりの対処法を紹介します。

食事の仕方でつわりを対処する

たくさんの氷

  • 少量に分けて少しずつ食べる
  • のど越しのよい麺類などを選ぶ
  • 酸味を効かせてサッパリ味に
  • 匂いを感じにくくするため冷やす
  • 胃に刺激を与える柑橘系はNG
  • 消化の悪い乳製品もNG
  • 水分補給は水より氷

吐き気が強くて十分に水分補給ができないと、脱水状態になってしまいます。脱水症状が悪化すると、脈拍が弱くなったり、痙攣(けいれん)や意識障害など危険な状態に陥る場合もあります。

脱水症状にならないためには、水分の補給が重要です。ですが、つわりで強い吐き気や嘔吐があると、思うように水分が摂れません。吐き気を我慢して水を飲むと、後になって嘔吐する場合もあり逆効果。

吐き気があるときの水分補給は、無理をして水を飲むのではなく、口に氷をいれて舐めるといいでしょう。ミネラルウォーターや経口補水液をゼラチンや寒天で固めた「水ゼリー」は、水分を補給しやすく吐き気を防ぐこともできます。

つわり中でも意識して摂りたい食材

マグロの刺身

偏った食事を続けていると、妊娠中に必要な栄養が不足しがちになります。妊娠初期に摂っておくべき必須栄養素と代表的な食材を挙げます。

必須栄養素
代表的な食材
たんぱく質マグロ・しらす・鶏ささみ・鰹節・高野豆腐
ビタミンB群マグロ・あさり・ナッツ類・バナナ・ほうれん草
葉酸枝豆・ブロッコリー・納豆・ほうれん草
レバー・あさり・小松菜・枝豆・ほうれん草

つわりの時期の偏食は、ある程度は仕方ありません。ですが、食べられるものや食べたいと思うものから、お腹の赤ちゃんのためになる食材を意識すれば、妊娠中の栄養不足による貧血などを防ぐことができます

妊娠中に意識して摂りたい食材でも、つわりの症状があると食べるのが辛く感じるときもあります。吐きづわりや食べづわりの時は、冷たくしたり少量ずつ食べたりするなど、食べやすくなる工夫をしてみましょう。

漢方薬でつわりを対処する

つわりの症状緩和は、漢方薬を処方してもらう方法もあります。つわりに効果があるとされる漢方薬を症状別で挙げます。

つわりの症状効果的な漢方薬
吐き気・嘔吐 (軽症)小半夏加茯苓湯
(ショウハンゲカブクリョウトウ)
吐き気・嘔吐 (重症)乾姜人参半夏丸
(カンキョウニンジンハンゲガン)
腹痛・下痢人参湯
(ニンジントウ)
むくみ・尿量減少当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)
喉の違和感半夏厚朴湯
(ハンゲコウボクトウ)
頭痛・微熱桂枝湯
(ケイシトウ)
胃痛・めまい呉茱萸湯
(ゴシュユトウ)

症状や体質によって、数種類の漢方薬を組み合わせることも可能です。1週間ほど続けても症状が緩和しない場合は、服用を中止して医師または薬剤師に相談してみましょう。

整体でつわりを対処する

つわりが悪化したり長引くと、不調のせいで姿勢が悪くなることがあります。消化器系の症状が悪化すると、お腹を守ろうとして猫背になってしまいがちです。

整体というと施術ベッドに寝かされて、背中や患部を強い力で押されるイメージもあり、妊娠中には敬遠しがち。ですが、妊娠中は無理のない楽な体勢で施術してもらえるので安心です。

ツボ押しでつわりを対処する

横になったりテレビをみながらでも気軽に試せるツボ押し。つわりの症状はツボ押しでも緩和が期待できます。つわりに効果的なツボを症状別で挙げます。

内関(ナイカン)

内関(ナイカン)

期待できる効果:吐き気・嘔吐 

裏内庭(ウラナイテイ)

裏内庭(ウラナイテイ)

期待できる効果:腹痛・下痢

足の三里(アシノサンリ)

足の三里(アシノサンリ)

期待できる効果:むくみ・尿量減少

扶突(フトツ)

扶突(フトツ)

期待できる効果:喉の違和感

百会(ヒャクエ)

百会(ヒャクエ)

期待できる効果:頭痛

神門(シンモン)

神門(シンモン)

期待できる効果:イライラ・憂うつ

合谷(ゴウコク)

合谷(ゴウコク)

期待できる効果:便秘

ツボ押しをするときは、楽な姿勢でリラックスすると効果が増すと言われています。力加減は押すと気持ちいい程度。指先ではなく、指の腹でゆっくり押すのがポイントです。

まとめ

  • つわりは吐き気だけではなく全身に症状が現れる
  • イライラなど心に症状が現れるつわりもある
  • つわりの根本的な原因は医学的には不明
  • つらい症状は薬による対症療法以外でも緩和できる

妊娠がわかって喜んだのも束の間、つわりによる不調が続くと体だけでなく、心まで不安定になってしまいます。つわりの原因は現在も解明されていない上、つわりが全くない人や、妊娠の回数によっても症状や度合いが違うなど様々です。

妊娠は病気ではありませんが、つわりの症状はレベルによっては入院や治療が必要なケースもあります。「つわりは病気じゃないから」と我慢しすぎず、症状が悪化したり長引いている場合は、早めに病院を受診しましょう。

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